推奨馬
・シングザットソング(牝)
∟父:ドゥラメンテ
∟母:ザガールインザットソング
∟生産:社台コーポレーション白老ファーム
∟厩舎:高野友和厩舎
∟馬主:社台サラブレッドクラブ
今回は社台サラブレッドクラブのドゥラメンテ牝馬、シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)をPOG2022-2023期推奨馬として紹介致します。
社台サラブレッドクラブのドゥラメンテ牝馬といえば2022年の桜花賞(G1)、2022年優駿牝馬(オークス:G1)を制したスターズオンアースでしょう。
勝ち方は相当強いもので印象に残るものでした。当時POGまくれーんブログとしてはドゥラメンテ牝馬は推奨しておらず、むしろ否定的でした。ドゥラメンテの初年度産駒である2018年産駒におけるドゥラメンテ産駒牝馬の状況は良い点が全くありませんでした。勝ち上がり率も5%程度でした。
それが2019年産駒になるとこのスターズオンアースやベルクレスタなどドゥラメンテ牝馬の活躍馬が出始めました。「種牡馬はデビュー2年目が狙い目である」という言葉は血統評論家の方々がよく口にされることですので3年目のドゥラメンテ産駒を推すのは乗り遅れの可能性はありますが、シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)は魅力ある馬だと思いましたので紹介致します。
母ザガールインザットソングについて
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の母ザガールインザットソングは2017年に社台ファームが落札した米国で活躍した牝馬です。落札価格は約2000万円程度だったと聞いております。
主な戦歴は以下の通りです。
この通りダートでも芝でも勝ち鞍がある両刀使いの馬だったようです。この戦歴の中でラカニャーダステークス(GⅡ:ダート1700m)のレースを見ていきましょう。
好位につけて最後の直線で抜け出し快勝。2着以下は完全に置き去りにしており3〜4馬身差をつけております。ダートのこのパワーがシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)にも受け継がれているという期待が高まるところであります。
母ザガールインザットソングはこれまで3頭を産んでおり、シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)は第4子であります。不思議な事にザガールインザットソングはこれまで、第一子:Honor Codeとの交配(セレナズヴォイス)、第ニ子:Super Saverとの交配(スーパーフェイバー)と外国馬とばかり合わせております。第三子はキングカメハメハとの交配だったようですがこの世にお目見えする事はなかったようです。そもそもザガールインザットソング自体が繁殖牝馬としての期待値が低いのか社台コーポレーション白老ファームの意向なのかは分かりませんがようやく第4子にして日本競馬界で通用する種牡馬との交配にて誕生したシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)には期待高まるところであります。
馬体・測尺
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の1歳時馬体
以下がシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の1歳時馬体です。
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)を最も推奨したい理由がこの馬体です。ドゥラメンテの2020年産駒牝馬の中で好馬体の馬を探していた所目に留まった次第です。
全体的に迫力があります。まず目をひくのがトモです。相当力強そうな印象で皮膚の中に筋肉がたっぷり詰まっている様子がうかがえます。また腹回りのボリュームも良いです。そして前足です。前方に突き出る程度に筋肉が備わっております。また首も長さと太さが理想的でありシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)は先ほど記載した前足、トモ、そしてこの首の3つですごい推進力を生み出しそうな予感がします。
他ドゥラメンテ産駒との比較
以前作成しました「【POG論】ドゥラメンテ産駒の選び方」を参照し比較します。
この際「ドゥラメンテ産駒の牝馬は筋肉質、且つ腹回りのボリュームがある方が良い」と書きました。参考までに同じ社台サラブレッドクラブで桜花賞(G1)、優駿牝馬(G1)において二冠制覇したスターズオンアースの1歳時馬体を紹介します。
◾️スターズオンアース
ものすごい馬体ですね。先ほど記載しました「ドゥラメンテ産駒の牝馬は筋肉質、且つ腹回りのボリュームがある方が良い」の言葉におけるお手本ほような馬体です。
正直なところシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)はスターズオンアースと比較すると若干こじんまりであると思えます。スターズオンアースはその胴の長さから雄大さを感じさせます。また前足周りの肉付きもすごいです。
とはいえシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)も負けていないと思います。全体的なバランス、見た目の力強さは全く引けを取らないと考えます。結果としてシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)はスターズオンアースに比べ短めの距離で活躍の場を見出す事になるのかもしれません。
測尺
それでは1歳時測尺を確認していきましょう。ドゥラメンテ産駒活躍馬の1歳時測尺は以下の通りです。
こう見ますと、アスコルターレの存在が数ちの振れ幅を増やしておりますが、基本的には管囲20以上、馬体重も420kg以上あることが理想のようです。
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)はその基準からすると小さめです。馬体解説の際「こじんまり」と表現した印象は、測尺で定量的に表されておりました。シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の測尺判定としては「懸念事項」と捉えるべきと考えます。「アスコルターレが小さいのでシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)も問題ない」と考えるのは乱暴ですが、この馬が「重賞級の力があるのか」というとその点は厳しいように思えますが、POGの総合力を上げる意味では非常に良い戦力になると考えます。
血統
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の血統表
◾️シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)
∟父母間クロス:Raise a Native5×5
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の血統構成ですが、ここも正直懸念点であります。
再び「【POG論】ドゥラメンテ産駒の選び方」を用いて解説していきます。
血統構成評価
この記事でドゥラメンテ産駒活躍馬から見出した血統構成における成功条件を以下の通りまとめております。
1:母方にサンデーサイレンス配合が無い
2:父母間でMr. Prospectorクロスがある
3:母方にMonsun配合がある
4:母方にShirley Heights配合がある(Mill Reef配合がある)
5:母方にSadler’s Wells配合がある
6:父母間Nureyevクロスがある
7:母方にDanzig配合がある
8:母方にNijinsky配合がある
9: 母方にソニンク配合がある
10:母方にMachiavellian配合がある
11:母方にRoberto配合がある
12:母方にサンデーサイレンス配合がある
13:サンデーサイレンス配合以外からの父母間Halo(Hail to Reason)クロスがある
この条件においてシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)が5代目血統表までに満たしている条件は「1:母方にサンデーサイレンス配合がない」これのみです。
強いて言えば5代目にあるRaise a NativeはMr. Prospectorの源流にあたるため同等の効果が得られれれば良いのですがこの点は何とも言えないところです。
シングザットソング(ザガールインザットソングの2020)にはドゥラメンテ産駒には珍しくUnbridled’s Songの 配合があります。その源流にはCaro(トニービンなどにあるGrey Sovereign系)、他の流れでSeattle Slew、4代目にNorthen Dancerの配合があり、サンデーサイレンス系種牡馬と好相性の血統構成になっており、POGまくれーんとしてシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)は血統においては推奨する要素がないというのが結論であります。
以上です。
「推奨」とは程遠い記事内容になってしまったことは認めざるを得ません。完全に「馬体」この1点で推す結果となっています。それでもシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)には言葉に出来ない魅力を感じます。当記事が皆様のお役に立てるようなシングザットソング(ザガールインザットソングの2020)の活躍に期待しております。
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