推奨馬
・レッドダンルース(牡)
∟父:リアルスティール
∟母:アイリッシュシー
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:矢作芳人厩舎
∟馬主:東京サラブレッドクラブ
今回は東京サラブレッドクラブのリアルスティール産駒、レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)を紹介します。リアルスティール産駒は2020年産駒が初年度産駒であり、POG2022-2023期で初登場となります。
レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)は、もともとセレクトセール出身馬であり、2020年セレクトセール当歳馬セッションにて5940万円で落札されました。実際の様子を見てみましょう。
7時間41分あたりから開始となります。あくまでこの映像は0歳時のものですのであまり参考にはならないのですが、この時から恐ろしいほど落ち着いています。競走馬として気性の安定は重要ですのでこの点においては期待出来るものだと考えます。
また母アイリッシュシーの情報ですがほとんどありませんでした。競走馬としては3戦で勝利無し。
2019年産駒としてシルクレーシング所属のキャリックアリード(キズナ産駒)を輩出。ただし2022年5月現在まだ出走出来ておりません。原因としては2歳春に骨折していたようです。こういった順調さを欠く兄弟の状況については不安を感じる要素ではあります。
セレクトセール出身という意味では半姉のキャリックアリードとレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)は共通する事項であり両馬ともセレクトセール当歳馬セッション出身馬であります。落札価格を比較します。
・キャリックアリード
∟セレクトセール2019当歳馬セッション落札価格:1620万円
・レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)
∟セレクトセール2020当歳馬セッション落札価格:5940万円
価格に明らかな差があります。父がキズナ→リアルスティールへ変わったという事での価格向上というところでしょうが、少なくとも0歳時点での見た目もよく見えますし、素質を買われての価格だったと思うと期待も高まる所であります。
各種情報を見る限りレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)は2022年5月時点では順調そうです。それでは魅力に迫っていきましょう。
馬体・測尺
レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の1歳時馬体
これがレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の1歳時馬体です。この時点から既に迫力が備わっている印象です。
まず目を引くのがトモのボリュームと形状でしょう。綺麗な丸みを帯びており皮膚の中にしっかり筋肉が詰まってる様子が伺えます。且つ筋肉の筋が浮立つようなことはなく今後良い成長が期待出来るような雰囲気です。
それから前足周りもどっしり筋肉が乗っています。腹回りもある程度ボリュームがあります。首の長さと胴の長さが若干足りない様子も伺えますが最終判断としては2歳時の馬体を見て判断でしょう。成長出来ていれば問題ないです。
なおPOGまくれーんで紹介した他のリアルスティール産駒の記事を貼っておきます。当記事をまとめている2022年5月時点ではリアルスティール産駒は未出走であるためどれがリアルスティール産駒にとっての適正馬体かの比較にはなりませんが、見る限りレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の1歳時馬体は異質であるように思えております。
これまで見てきたリアルスティール産駒はどれも筋肉質さを備えつつ見た目がスラっとしており腹回りがどっしりしているような事はありませんでした。
それがレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)だけはボリュームを感じる馬体である点、異質であると思った次第です。どの馬体に最も適正があるのか楽しみであります。
測尺
重要な測尺も確認していきます。全て1歳時の測尺です。
兄弟間の測尺比較です。
◾️キャリックアリード
・体高:156.5 ・管囲:20.0
・胸囲:174.5 ・体重:420
◾️レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)
・体高:155.2 ・管囲:21.0
・胸囲:177.5 ・体重:448
これを見る限りレッドダンルース(アイリッシュシーの2020)はキャリックアリードを超えています。測尺計測月に若干の差があるものかとは思いますが、レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)は半姉のキャリックアリードに比べ低重心、且つボリュームがあります。管囲もさらに大きさを増し、頑丈さも兼ね備えているものと考えます。
血統
レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の血統表
∟父母間クロス:Northen Dancer5×4、Mr. Prospector4×5
これがレッドダンルースの血統表です。いつも推奨する配合父母間Lyphardクロスの配合がない点は非常に残念ではあるものの、血統配合としては良くむしろ色んな要素が入り過ぎているくらいの内容であります。
良い面を悪い面とそれぞれありますので次項以降解説していきます。
母父Galileo(ガリレオ)の効果
レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の血統構成としてまず目に入るのが母父にあたるGalileo(ガリレオ)の配合です。Galileoの配合は非常に面白いものでSadler’s WellsとMr. Prospectorという日本競馬界でも多数活躍馬を出す配合が含まれております。
ヨーロッパでのGalileoの種牡馬としての偉大さは語るまでもない常識でありますが日本競馬界においてのGalileoの効果というものは疑問が残ります。
以下レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)と同様、「母父Galileo」配合の血統構成を持つ馬のPOG対象期間限定での成績です。
これらを見る限り「良い」という考えも間違ってはおりませんが2019年産駒までに母父Galileoの血統構成の馬は200頭以上存在する中で重賞勝ちは3頭。
Galileoが世界的良血馬たる名を有する中でPOG期間重賞勝ちがたった3頭とはなんとも残念な状況であります。
それでも例えばGalileoの代表的な子であるFrankelも日本競馬界で産駒は良い成績を出し始めました。グレナディアガーズ、ソウルスターリング、モズアスコットなどがそれに当たります。
今回レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の父はリアルスティール。ディープインパクトの配合があり、母にはラヴズオンリーミーとMr. Prospector配合がありGalileoとの5代目までに父母間クロスを発生させているためこれまでと違う効果が出ることを期待しております。
母母Fire Lilyについて
レッドダンルース(アイリッシュシーの2020)の血統構成を語る上で外せないのが母母として配合されているFire Lilyという馬のことです。
このFire Lilyの競走馬時代の成績が相当良いのです。
海外GⅢ競争で3勝、G1で2着2回となかなかの成績です。
また血統構成も非常に面白いです。
強烈な配合です。Danehill(デインヒル)からDanzigへの流れ。またNijinsky、Blushing Groom、Nureyev、Cozzene(Caro→Grey Sovereign系)、In Reality、Roberto、Mill Reefなどなだたる構成です。
これらの血統構成はディープインパクト産駒としては良い成績を残す血統配合でしたので、期待出来るものと考えます。
6代目以降まで考えるとレッドダンルースは「Northen Dancer5×4、Mr. Prospector4×5、Nureyev5×6」の構成であることが分かります。
以上です。
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