推奨馬
・ヤングローゼス(牡)
∟父:エピファネイア
∟母:ローザフェリーチェ
∟生産:ノーザンファーム
∟馬主:藤田 晋
∟厩舎:手塚貴久厩舎
2021年開催のセレクトセール1歳馬セッションにて1億2100万円で落札された馬です。落札者は「ウマ娘」で有名な藤田晋さんです。
藤田晋さんといえば所有馬の勝ち上がり状況が物凄いことが話題になっています。以下が現在藤田晋さんが所有され名登録されている3歳馬の状況です。
5頭中4頭勝ち上がっています。また4頭中3頭が2勝しているのですから驚異的であります。ドーブネは昨年末に朝日杯FS(G1)に出走し7着。馬主初年度からG1出走という点もすごいです。またこれら5頭の中にはノーザンファーム生産馬は1頭もありません。こういった方がノーザンファーム生産馬を所有するとどういった結果が生まれるのか楽しみであります。
馬体
ヤングローゼスの1歳時馬体
セレクトセール時の馬体は以下の通りです。
写真を初めて見た時、圧倒されました。まさにエピファネイア産駒のお手本のような馬体です。体型が全体的に横長の長方形になっており、また体の各所のボリュームがハンパではないです。
トモのボリューム・形、顔の大きさと首とのバランス、前足から腹回りにかけてもすごいことになっています。
セレクトセール時の動画を見てみましょう。再生時間2時間51分から開始します。
非常に落ち着いています。気性面も問題ないかもしれません。また先ほど紹介した馬体写真では表現されていませんが、この動画を見ると前足の筋肉が異常に前に突き出ています。これは評価できると思います。画像もですがこの動画の方がヤングローゼスの魅力が伝わりやすいかもしれません。
他エピファネイア産駒との馬体比較
以下過去記事で比較します。
ヤングローゼスの馬体の迫力がすごいことは前項記載しましたので、細かい部分を見ていきます。
まず前足です。今見返すとエフフォーリアとオーソクレースの前足の付け根部分の筋肉の付き方が非常に似ています。右上から左斜め下に「たすき掛け」したような見た目です。この肉付きが強力な推進力に繋がっていたような気がします。
それに対しヤングローゼスですが形状が全く違い、むしろこの2頭に比べ迫力に欠けます。
ただ全体的なボリュームは全く負けておりませんし、またトモから後ろ足にかけて筋肉が伸びている点など評価できる部分の方が多いです。
母ローザフェリーチェの馬体
セレクトセール馬は測尺が分かりませんので今回は母馬であるローザフェリーチェ自体の馬体を記載します。
特徴は少しずつヤングローゼスに受け継がれていると思いますが、腹回りの形状、前足部分の肉付きなどは全く違います。
ヤングローゼスはエピファネイア、あるいは母父であるエンパイアメーカーの血の方が濃く出ているのでしょう。
血統
ヤングローゼスの血統表
父母間クロス:サンデーサイレンス4×3、Hail to Reason5×5、Northen Dancer5×5
エピファネイア血統成功条件を満たしているか
ドナウブルーの2020の記事で以下提示しましたので再度掲載します。
① 父母間でサンデーサイレンス4×3、Hail to Reason5×5の構成がある
② 父母間で「①」とは別路線でHaloクロスがある
③父母間でSadler’s Wellsのクロスがある
④父母間でNorthen Dancerのクロスがある
⑤母方にDanzigの配合がある
⑥母方にMr. Prospector配合がある
⑦母方にKrisの配合がある
⑧母方にトニービンの配合がある
⑨母方にLyphardの配合がある
ヤングローゼスですが①④⑥⑨に該当。Danzig配合やトニービン配合がないのは残念ですが、Mr. ProspectorやLyphardの配合もあり力は出せると思います。
また良い点としてShirley Heightsの配合があります。日本競馬会で活躍馬を多数出している血統ですのでこの点も評価できます。
次項で記載しますが血統の総合的な評価としては高い評価は出来ないと考えます。母父エンパイアメーカーですのであまりに米国要素が強すぎる気がします。
母父エンパイアメーカーについて
エンパイアメーカーですがアメリカで以下成績を残した偉大な馬です。
ベルモントステークス(G1)を勝った時の映像がこちらです。
泥んこ馬場の中での最後の直線、根性を感じます。素晴らしいです。
また2015年種牡馬展示会の様子がこちらです。
こう見るとヤングローゼスは先ほども述べた通りエンパイアメーカーの血がよく出ている馬かもしれません。
馬体評価の時に懸念した「エピファネイア産駒活躍馬の前足周りの肉付き形状」は動画を見る限りエンパイアメーカー自体にもあるもので、ヤングローゼスも成長すれば更にいい馬体になる事が期待できると思いました。
ただ日本競馬会において母父にエンパイアメーカーを持つ競走馬は、基本的にダートでしか良い結果を残せていません。芝での出走機会も少ないのも事実ですが、交配の父馬自体あまり芝出走を意識した配合の想定が最初からないためだと思います。
父エピファネイア×母父エンパイアメーカーの組み合わせの馬は過去1頭おり、ミツルハピネスという馬です。
POG期間は未勝利1勝。しかも新潟芝1800mで勝利しています。前例が少ないため確証はないですが、少なくとも藤田オーナーの強運と、厩舎も手塚厩舎と強力ですのでいい結果は残せると思っております。
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