推奨馬
・ディオファントス(牡)
∟父:モーリス
∟母:ディオジェーヌ
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:斉藤崇史厩舎
∟馬主:キャロットクラブ
今回はキャロットクラブのモーリス産駒の紹介です。以前キャロットクラブの2020年産駒の推奨馬は出し尽くしたつもりでしたが再度見返すと出てくるものです。
直接的理由ではありませんがリブースト(ディオジェーヌの2019)がPOG期間で2勝しました。
この2勝目の紫菊賞ですが強かったです。持ったまま突き放していました。怪我を発症し戦線離脱している事が誠に残念でありますが、ディオファントス(ディオジェーヌの2020)にもその力は備わっているものと思われます。理由について述べていきます。
馬体・測尺
ディオファントス(ディオジェーヌの2020)の馬体
全体的に相当な筋肉量をほこる馬体に見えます。若干胴の長さが短めな部分は気になるところですが特にトモの迫力がいいです。筋肉がたっぷり詰まっています。また前足の付け根部分にも小柄ながら筋肉がグッと固まって備わっているように見えます。体の大きさからすると顔も小さめでバランス良く見えます。
それでは次項から各方面での比較を行っていきます。
他馬との馬体比較
まず兄弟間の比較からいきます。
◾️リブースト(牡)
∟父:ハービンジャー
父が違いますので当然でありますが、リブーストはディオファントスとは馬体の雰囲気が全く異なります。リブーストも非常に良い馬体です。バランスも良くトモもボリュームがあり胴の長さはディオファントスよりも良い。
ただしリブーストはハービンジャー産駒の特色が出ていて、ディオファントスに比べ顔が大きいこと、またそこまで筋肉質ではありません。
全体的な迫力はディオファントスがリブーストを圧倒しているといっても過言ではないと考えます。
また別路線として他のモーリス産駒とも比較します。以下記事にまとめておりますのでご確認下さい。
ピクシーナイトやテンバガーを挙げておりますが、それぞれ馬体が異なります。モーリス産駒はどの馬でも華奢な馬はいません。ある程度の筋肉量はあります。やはりここでも気になるのが、ディオファントスの胴が短めであることです。
ピクシーナイトは重賞勝ち馬としてさすがと言ったところで、胴の長さや馬体の各所は自然体ながら抜かりがありません。それに対しディオファントスは力が入っている雰囲気です。他馬に迫力は全く負けていません。
測尺
◾️ディオファントス(ディオジェーヌの2020)の1歳時測尺
・体高:154.0 ・管囲:20.8
・胸囲:174.0 ・体重:438.0
測尺は非常に丁度良いと思います。恐らく2歳時には470kg〜490kg程度になるものと思います。管囲も20cm以上あります。
兄のリブーストがどうだったか記載します。
◾️リブースト(ディオジェーヌの2019)の1歳時測尺
・体高:153.5 ・管囲:21.7
・胸囲:177.5 ・体重:432.0
リブーストは管囲がディオファントスと上回っています。ただそれ以外はディオファントスのほうが上。リブーストはこの値で2勝出来るのですのでディオファントスも期待出来るところです。
また他モーリス産駒の1歳時測尺を記載します。
◾️ピクシーナイト
・体高:154.0 ・管囲:21.6
・胸囲:173.0 ・体重:450
◾️ストゥーティ
・体高:149.0 ・管囲:20.0
・胸囲:170.5 ・体重:406
◾️アルビージャ
・体高:157.0 ・管囲:20.0
・胸囲:176.5 ・体重:414
◾️テンバガー
・体高:155.5 ・管囲:21.0
・胸囲:173.5 ・体重:457
これらと比較してもディオファントスは遜色ありません。モーリス産駒活躍馬を並べると、管囲が全て20cm以上となっています。体質の良さは怪我の回避、強さの源であるのは当然のことですが特にモーリス産駒においてば馬格は必須項目なのだと改めて思いました。
血統
ディオファントス(ディオジェーヌの2020)の血統表
・父母間クロス
∟Halo5×4(サンデーサイレンス4×3)、Lyphard5×5
ディオファントス(ディオジェーヌの2020)の血統推奨理由
①Lyphardクロスがある
他記事でも記載しましたがPOG期間活躍条件として血統構成が父母間Lyphardクロスの成立があります。詳細は以下記事をご覧下さい。
モーリス産駒にも父母間Lyphard(リファール)クロスは有効です。
以下はピクシーナイトの血統表です。
◾️ピクシーナイト
∟父母間クロス:Lyphard5×4、Halo5×4、Northen Dancer5×5、ノーザンテースト
この通りLyphardクロスがあります。先ほどの記事でも記載しているのですがLyphardクロスがあれば良いというものではありません。ピクシーナイトはHaloクロスや別路線でのNorthen Dancerクロスなど必要条件を満たしていることからLyphardクロスが後押ししているものと思われます。
ディオファントスはピクシーナイトと同じく父母間でHaloクロスが成立、また次項記載の「②」内容においてモーリス産駒としての成功条件を満たしており、父母間Lyphardクロスの力を発揮出来る条件が備わっております。
②モーリス産駒重賞勝利馬(ルークズネスト)との共通点
モーリス産駒にはファルコンステークス(GⅢ)を制覇したルークズネスト(ヴィラの19)がいます。
ディオファントスはルークズネストの血統構成とかなり似ているのです。ディオファントスとの血統表含め並べます。
◾️ルークズネスト
∟父母間クロス:Lyphard5×5、Halo5×4、Danzig5×5
◾️ディオファントス
∟父母間クロス:Halo5×4、Lyphard5×5
要は、 青枠部分がほぼ同血なのです。Grand Lodgeからの流れは完全に同じ。またShirley Heights以降も完全に同じ。ルークズネストのShirley Heights配合はThe Heightsからに対しディオファントスはDarshaanからですので、こちらの方が優れていると考えます。
またディオファントスは6代目にはDanzigがありますのでルークズネストとほぼ同穴且つ更に良血馬だと評価出来ると思っております。
またこの同血の流れはモーリス産駒としてもう1つ成功例があります。それが2021年のフィリースレビュー(GⅡ)を制したシゲルピンクルビーです。以下が血統表です。
◾️シゲルピンクルビー
この通りディオファントスと同じくDarshaan→Shirley Heightsの流れ、またSinndar→Grand Lodgeの流れまで完全に同じです。
おなじモーリス産駒として重賞勝利馬3頭が血統面で後押ししてくれているのは相当心強い要素ではないでしょうか。
③母ディオジェーヌはLyphardクロスとして成功馬を出す可能性が高い
Lyphardクロスがあったとしても結局花開かない可能性も大いにあると思います。少なくとも見出すべきは「兄弟間でLyphardクロス有無での実績の違いがあるか」これを見極めたく思います。
以前以下記事でクイーンカップを勝ったプレサージュリフトのことを書きました。
プレサージュリフトの母シュプリームギフトの兄弟のうち良い成績を残しているのは父母間でLyphardクロスが成立するマクフィ産駒のオールアットワンスとハービンジャー産駒のプレサージュリフトだけです(しかもこの2頭は重賞勝利)。
ディオファントスの母ディオジェーヌはというと以下の通りです。
生産年 | 馬名 | 種牡馬 | 厩舎 | Lyphardクロス有無 |
2017 | 無し | ヘニーヒューズ | 無し | × |
2018 | デュークアックス | マジェスティックウォリアー | 高木登厩舎 | × |
2019 | リブースト | ハービンジャー | 佐々木厩舎 | ○ |
2020 | ディオファントス | モーリス | 斉藤厩舎 | ○ |
2018年産駒はLyphardクロス無しで中央勝利も無し。リブーストはLyphardクロスとなり紫菊賞含め2勝。この流れを踏まえるとプレサージュリフトの母シュプリームギフトの際に起きた現象が再びここでも起きる気がしてなりません。
以上です。
唯一の懸念点はリブーストの怪我です。これと同じ現象まで似てしまうと非常に厄介です。モーリス産駒は比較的頑丈なイメージがありますのでとにかく健康でいることに専念頂ければ勝利は間違いないと思っております。
厩舎は斉藤厩舎ということで安心出来ます。ディオファントスがピクシーナイトとルークズネストと同じように中京競馬場の地で重賞勝利をおさめる姿が目に浮かぶ次第です。
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