推奨馬
・ジャスティンカプリ(牡)
∟父:キンサシャノキセキ
∟母:フォンタネットポー
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:安田隆行厩舎
∟馬主:三木正浩
今回はキンサシャノキセキ産駒のジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)について解説していきます。
まず馬主の三木正浩オーナー。ABCマートの創業者として有名であり2019年に馬主デビューして以後、活躍馬を日本競馬界に送り込んでおられます。今後毎年セレクトセールでは高額馬落札の常連となりうる方だと思っております。
特に2019年産駒の活躍が物凄いです。
◾️エリカヴィータ(牝)
∟フローラステークス(GⅡ)1着
◾️ジャスティンロック(牡)
∟京都2歳ステークス(GⅢ)1着
◾️ジャスティンパレス(牡)
∟ホープフルステークス(G1)1着
◾️ジャスティンスカイ(牡)
∟フリージア賞1着
これは驚異的です。しかもジャスティンロックはリオンディーズ産駒、且つノーザンファーム馬ではありません。北海道セレクションセールで2530万円の馬です。
また2019年産駒の三木正浩オーナーの成績としては、所有馬全16頭中、14頭デビュー、うち勝ち上がり馬は10頭という驚異的な数字を叩き出しております。POGとしては三木正浩オーナー所有馬は1頭は確保しておきたいところでしょう。
2019年産駒に限れば重賞競争2勝、G1競争2着が確保出来たわけです。
POGまくれーんとしても注目し馬を紹介していきます。今回のジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)は第1弾であります。
母フォンタネットポーについて
母フォンタネットポーですが、私自身あまり認識出来ていない馬でしたので確認しました。
父ダンカーク+母フラーテイシャスミスという良血馬。母フラーテイシャスミスはあのダート戦線で相当な活躍を見せたベストウォーリアを産んでいます。
母フォンタネットポーの競走馬時代のPOG期間成績ですが以下の通りです。
2勝馬には届かずも3着以内は外さない堅実な馬だったようです。
母フォンタネットポーは繁殖牝馬としてジャスティンカツミを輩出しています。ドゥラメンテ産駒の当馬は新馬戦を快勝しております。
三木正浩オーナーは2年連続母フォンタネットポーの子を所有していることとなります。このこだわりは何か良い結果が生まれる予感すらさせます。
なお母フォンタネットポーの子であるジャスティンカツミ(フォンタネットポーの2019)とジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)について以下比較します。
◾️ジャスティンカツミ(牡)
∟父:ドゥラメンテ
∟セレクトセール価格
→【1億4850万円】
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:杉山晴紀厩舎
∟生年月日:2019年3月5日
◾️ジャスティンカプリ(牡)
∟父:キンシャサノキセキ
∟セレクトセール価格
→【3300万円】
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:安田隆行厩舎
∟生年月日:2020年2月21日
父がドゥラメンテ→キンシャサノキセキに変更になった途端、落札価格が大暴落であります。
世間一般としての種牡馬評価としてこの差が出るのは致し方ないことかと思いますが、それにしても1億1千万程度下がっているわけですので相当なものです。ただ高額馬=「走る」というものでないのがセレクトセール落札馬の面白いところ。一つずつ魅力に迫っていきましょう。
馬体
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)1歳時馬体
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)の1歳時馬体です。
キンシャサノキセキ産駒というだけあって全体的に「スプリント路線」の雰囲気がかなり伝わってくるという印象を受けます。
胴はさほど長くありませんが、全体的に筋肉質です。前足周りの筋肉は素晴らしいです。前方に突き出る形状、付け根部分の肉付き、またトモも綺麗な形を描き迫力も備わっております。
実際のセリの映像を見ていきましょう。セレクトセール2021の1歳馬セッションの様子です。8時間5分から開始します。
相当あばれております。力が有り余っているのでしょうか。気性の荒さが気になりますがやはり馬体は非常に素晴らしく、暴れているのが馬体のバネの具合を際立たせ競争能力も高そうな予感を抱かせます。
他馬との比較
①兄弟比較
2019年生まれのジャスティンカツミ(ドゥラメンテ産駒)と兄弟間比較します。
◾️ジャスティンカツミ
ジャスティンカツミはジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)とあまりにも印象が違います。ジャスティンカツミはドゥラメンテ産駒としての特徴を上手く引き出せた馬体です。それに対しジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)は筋肉質さが際立っておりスプリント路線での爆発力を兼ね備えている印象を受けます。セール落札価格差はあり活躍路線の違いはあるものの、ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)は見劣りしないと考えます。
②他キンシャサノキセキ産駒との比較
2頭紹介します。キンシャサノキセキ産駒としてPOG期間の重賞戦線で活躍したルフトシュトロームとジュランビルと比較します。
◾️ルフトシュトローム(牡)
∟ニュージーランドトロフィー(GⅡ)1着
◾️ジュランビル(牝)
∟ファンタジーステークス(GⅢ)3着、フィリーズレビュー(GⅡ)3着
両方とも1歳時の馬体です。ルフトシュトロームは胴も長く雄大な馬体。
それに対しジュランビルは胴は短めです。ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)はどちらかと言えばジュランビル寄りの馬体と言えるでしょう。首の長さ、前足の肉付き及び形状、トモの肉付き及び形状が似ております。
性別は違いますがジュランビルのような馬体だと短距離路線ではある程度の結果は残せるようですのでジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)には期待出来ると考えます。
血統
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)の血統表
∟父母間クロス:なし
記載の通りジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)の血統表5代目までには全く父母間クロスがありません。血統配合としては母ファンタネットポーには良血馬だけあって、Unbridled’s Song、Caro(トニービンと同じGrey Sovereign系)、Roberto、Mr. Prospector、Seattle Slewなど含まれておりますが、キンシャサノキセキ産駒としての必要要素は含まれておりません。故に5代目血統表までで見える範囲としては強く推奨出来るような要素はありません(悪いという事もない)
キンシャサノキセキ産駒POG期間活躍馬の血統構成
キンシャサノキセキ産駒の活躍馬は多数存在しますが、POG期間での活躍馬という視点でいくと強調出来る要素があります。
それが「キンサシャノキセキ産駒は父母間Lyphardクロスが成立+母方にKingmamboの配合があること」というものです。詳細は父母間Lyphard(リファール)クロスについてまとめた記事に記載しています。
「キンサシャノキセキ産駒は父母間Lyphardクロスが成立+母方にKingmamboの配合があること」に該当するキンシャサノキセキ産駒ですが、ガロアクリーク(スクリングステークス(GⅡ)1着、シュウジ(小倉2歳ステークス(GⅢ)1着)、ルフトシュトローム(ニュージーランドトロフィー(GⅡ)1着)が該当します。
ただ残念ながらジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)にはこういった血統構成はありません。
当然キンシャサノキセキ産駒のPOG期間活躍馬は他にもおります。例えばジュランビルに配合されているDeputy Ministerなどいわゆる「フジキセキ産駒時に効果を発揮するもの」のような血統配合ですがそれも無し。
他にもDanzigや父母間クロスが成立するMill Reefも有効ですがそれも無し。
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)の血統強調材料はあるか
2点あると考えます。
一つ目はCaro(トニービンと同じGrey Sovereign系)でしょう。これはフジキセキ産駒のイスラボニータの母にも配合があるため良い効果はあると考えます。
二つ目は仮説ですが「フジキセキ配合がある場合は父母間でIn Realityクロス成立により成功可能性がある」というものです。
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)はこれが成立しております。
◾️キンシャサノキセキ(ジャスティンカプリの父)血統表
◾️ダンカーク(ジャスティンカプリの母父)血統表
ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)は父母間In Realityクロス5×7が成立しているという事になります。
なぜ「フジキセキ配合がある場合は父母間でIn Realityクロス成立により成功可能性がある」この仮説を思ったかといいますと、きっかけは皐月賞(G1)を制したイスラボニータの存在です。
フジキセキを父に持つイスラボニータですが以下の通り父母間でIn Realityクロスが成立しております。
◾️イスラボニータ
∟父母間クロス:In Reality4×5
それからイスラボニータの子がデビュー済ですがイスラボニータ産駒でも同じく父母間In Realityクロスが成立している馬が活躍しているのです。
◾️プルパレイ
∟父母間:In Reality5×5、Halo4×5、Mr. Prospector5×3
◾️アイヴォリードレス
∟父母間:In Reality5×4、Hail to Reason5×4
◾️トゥードジボン
∟父母間クロス:In Reality5×4
このようにイスラボニータ自身も父母間In Realityクロスが成立、またイスラボニータ産駒が同じく父母間In Realityクロスが成立し成功しているため、同じフジキセキの血を持つキンシャサノキセキ産駒でも父母間In Realityクロスが成功すると思っています。
この効果は全く別路線である母父フジキセキにおけるIn Realityクロス効果を解説した以下記事でも同じような事を書いています。
とは言え、キンサシャノキセキ産駒の内、父母間In Realityクロスが成立している馬の存在が見つけられませんでした。実質的な効果は、ジャスティンカプリ(フォンタネットポーの2020)で明らかになるということであります。
以上です。
三木正浩オーナーの強運を味方につけ重賞戦線で活躍する馬として成長するよう期待しております。
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