推奨馬
・シャンディエン(牡)
∟父:ドレフォン
∟母:デグラーティア
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:林徹
∟馬主:サンデーレーシング
今回はサンデーレーシングのドレフォン産駒、シャンディエン(デグラーティアの2020)をPOG2022-2023推奨馬として紹介します。
サンデーレーシングのドレフォン産駒といえば2022年のジオグリフであります。
2022年4月時点で2019年産駒のサンデーレーシング所属ドレフォン産駒はジオグリフを含む4頭が存在し3頭が勝ち上がり。ただし芝レースの勝利はジオグリフただ1頭のみとなっています。
父ドレフォン自身が現役時代にダート戦を主線としていたためその点は当然であり、ジオグリフ自体がいわば異常個体と考える方が自然かもしれません。
父ドレフォンは現役時代ダート1200m〜1400mを主線としていましたが、今回ご紹介するシャンディエン(デクラーティアの2020)の母デグラーティアもまさに短距離馬であり現役時代のPOG期間小倉2歳ステークス(GⅢ)を含む芝レース3勝を挙げ桜花賞(G1)、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)にも出走しました。
最後の直線抜け出し良い勝ち方であります。
この短距離馬の父と母の組み合わせがどういう効果を生むのか。馬名もシャンディエン(=中国語で「稲妻」)とまさに短距離馬を意識したものとなり、それを実ともになしえるのか確認していきたいと思います。
馬体・測尺
シャンディエン(デグラーティアの2020)の1歳時馬体
シャンディエンの1歳時の馬体を見ていきましょう。
いかにも短距離馬といった様相であります。まず目に入るのがトモ。綺麗な形状をしており且つ肉付きも良くボリュームを感じます。
胴はやはり短めとはなっていますがその他、前足周りの肉付きの良さもたまりません。筋肉が肩まで伸びていっている印象です。腹回りもある程度ボリュームがあり好印象です。全体のバランスも悪くありません。
繰り返しではありますが、胴の短さだけが気になる所ではあるものの「短距離馬」と決めつけてしまえば気になることはないと考えています。
母デグラーティアが産んだ兄弟馬との比較
母デグラーティアは過去全てサンデーレーシング所属馬として誕生し、今回のシャンディエン(デグラーティアの2020)を含め計6頭競走馬としてデビューした馬を輩出しております。ただ後に述べますがデグラーティアの子供は今の所良い成績を残すことが出来ておりません。そこで兄弟馬比較を行いどう違いがあるのか見ていく事とします。
◾️リリパラディス(牝:2012年生)
∟父:キングカメハメハ
◾️フォーアライター(牡:2013年生)
∟父:ハービンジャー
◾️ドミナートゥス(牡:2015年生)
∟父:ルーラーシップ
◾️オーラクルム(牡:2016年生)
∟父:ハービンジャー
◾️ディアコニア(牝:2017年生)
∟父:キングカメハメハ
この中で最も良い成績をおさめたのがルーラーシップ産駒のドミナートゥスです。馬体だけ見てもそれが分かるほど、ドミナートゥスと他馬とは差があります。とは言え他の馬も完全にダメかというとそうではありません。更にはシャンディエン(デグラーティアの2020)との比較でいうと雰囲気がかなり異なりますので比較が困難でが、トモの力強さはドミナートゥスに匹敵するものと考えます。
見る限り各馬とも父の特徴を全面に出すような生まれ方をしてくる特徴があるようです。そこで次項で測尺での定量的比較を行います。
測尺
前項馬体で比較した6頭の測尺を比較します。この測尺がシャンディエン(デグラーティアの2020)を推奨するにあたっての大きなポイントであると考えております。
以下表をご覧下さい。数字は全て1歳時のものです。
こう見ると馬体の見栄えからは見えてこなかった差が定量的比較で浮き彫りになります。まずキングカメハメハ産駒のリリパラディスとディアコニアですが牝馬ということも影響してか馬体重は377kg〜390kgと非常に小さいです。これでは厳しいです。
次にハービンジャー産駒の2頭。フォーアライターは馬体重・管囲とも小さめ。オーラクルムは大きいですがこれは何とも説明のしようがありません。
最も良い活躍をしたドミナートゥスは各種数字が非常に良いです。特に管囲は21.5と良い数字です。
シャンディエン(デグラーティアの2020)はと言いますと、全て良い測尺の値となっています。管囲は21.6と過去最大。馬体重も452kgとこれも過去最大。とにかく一番の馬格なのです。これは期待出来ると思います。POG期間の活躍馬で管囲が20.0を超えている馬は活躍する傾向がありますので、推奨に値すると考えます。
血統
シャンディエン(デグラーティアの2020)の血統表
∟父母間クロス:Deputy Minister5×4
シャンディエン(デグラーティアの2020)血統評価
シャンディエン(デグラーティアの2020)の血統ですが、「父ドレフォン×母父フジキセキ」の血統構成です。
以前ダグフォース(ケアレスウィスパーの2020)の記事で「父ドレフォン×母父フジキセキ」及びドレフォン産駒自体の血統構成について解説しています。
「父ドレフォン×母父フジキセキ」及びドレフォン産駒自体の血統構成についての成功条件は以下の通りと考えます。
◾️ドレフォン産駒血統構成成功条件まとめ
①ドレフォン産駒は5代目血統までに父母間で何らかの血統クロスが成立している
→5代目まで
▶︎Storm Bird
▶︎Storm cat
▶︎Raise a Native
▶︎Sharpen Up
▶︎Mr. Prospector
▶︎Deputy Minister
→6代目以降
▶︎Blushing Groom
▶︎In Reality
▶︎Northen Dancer
②「①」の存在を前提として「父ドレフォン×母父フジキセキ」はIn Reality6×5の効果が出ている
③ドレフォン産駒は母母の血統配合にNorthen Dancer、あるいはNorthen Dancerに繋がる血統配合がある
今回シャンディエン(デグラーティアの2020)は①②③全ての成功条件に該当しています。これはPOG馬として推奨の時かと考えます。
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