推奨馬
・ダノンゴーイチ(牡)
∟父:イスラボニータ
∟母:レニーズゴットジップ
∟生産:社台ファーム
∟厩舎:不明
∟馬主:ダノックス
本日はダノックスのイスラボニータ産駒、ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)を紹介します。セレクトセール2020の当歳馬セッションで5720万円で落札された馬です。
早速セレクトセール2020の当歳馬セッション落札の状況を見ていきましょう。
POGまくれーんで当歳馬のセレクトセール落札馬を紹介するのは初めてです。これまで避けてきたのは特に馬体の情報があまりに少ないからです。ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)も各種メディア、POG情報誌等確認しましたが全く情報無しであります。POG馬選定においてこういった馬を推奨するのは非常にリスクがあると考えます。当然POG選定において厩舎、馬体、測尺、現段階の状況など見ていくものですがそういった要素がないということですので、判断材料としてはあまりに乏しいです。それでも推奨記事を書く理由としてはPOG2022ー2023対象のイスラボニータ産駒の中で目ぼしい馬が少ないこと、またダノックスの馬だという事、血統面で推奨に値する馬であるという事、これらが理由であります。
母レニーズゴットジップについて
母レニーズゴットジップはアメリカで活躍した牝馬です。現在は日本に輸入され、これまで4頭の競走馬を輩出しPOG対象馬としては良い結果は残せておりません。
レニーズゴットジップはアメリカで活躍し重賞戦線でもその存在感を示した馬です。
父にCity Zipの配合があります。POGまくれーんでCity Zip配合の馬を何頭か紹介したことがあります。
この通りCity Zip配合の馬はこの2頭がPOG2022ー2023対象馬のうちの推奨馬として挙げました。ノーザンファームと社台ファームとしてはこういった海外のCity Zipのような馬を輸入することで所有馬の強化を進めるような構想があるものだと考えます。
話を母レニーズゴットジップに戻します。レニーズゴットジップの競走馬時代の成績は以下の通りです。
ダート戦線と主線とし、芝G1競争でも連帯を果たすいい成績の持ち主であります。2012年に行われたブリーダッズカップターフスプリント(G1)で2着したレニーズゴットジップのレースを見ていきましょう。
残念ながら2着に敗れるも最後の直線一旦先頭に立つ場面もあり、優勝馬に対しかなり食い下がる根性もなかなかのものと考えます。この力がレニーズゴットジップの2020に受け継がれている事を期待しております。
馬体
ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)の0歳時馬体
これがダノンゴーイチ(レニーズゴットジップ)の0歳時の馬体です。0歳時の馬体の評価は非常に困難であります(正確はPOGまくれーんとしては不可能)。強いて言えば将来的にある程度、胴の長さを有しトモの形状もしっかりしている未来が見えるような馬体ではあります。
血統
ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)の血統表
∟父母間クロス:In Reality5×5、Mr. Prospector5×4×5
ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)の最大の魅力はこの血統構成にあります。ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)の父イスラボニータ産駒の血統構成として、このダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)は推奨に値する血統構成となっています。
イスラボニータ成功馬血統構成解説
イスラボニータ産駒として最も成功している馬としてプルパレイという馬がおります。
イスラボニータ産駒は2019年産駒を初年度産駒とし、初年度プルパレイを輩出しファルコンステークス(GⅢ)を優勝しました。ただし活躍馬の数は少なくPOG馬として推奨するにあたっては苦しいところがあります。
ただPOGまくれーんとしての見解は「イスラボニータ産駒について活躍産駒は血統構成として非常に限定的であるため活躍馬が限られる」と考えております。それではその血統構成を見ていきましょう。
◾️プルパレイ(牡)
∟父母間クロス:In Reality5×5、Mr. Prospector5×3、Halo4×5
◾️アイヴォリードレス(牝)
∟In Reality5×4、Hail to Reason5×4
◾️トゥードジボン(牡)
∟父母間クロス:In Reality5×4
ここまでのイスラボニータ産駒の成功条件とまとめると以下の通りとなります。
◾️イスラボニータ産駒血統成功条件
① 父母間でIn Realityクロスが成立していること
②父母間でMr. Prospectorクロスが成立している
③父母間でHalo(Hail to Reason)クロスが成立している
④母馬にDanzig配合がある
⑤母馬にDeputy Minister配合がある
イスラボニータ産駒成功馬に共通していることは血統構成として父母間In Realityクロスが成立している事です。
イスラボニータ産駒においてこの条件を満たしている馬がなかなか存在しません。そういった中で初年度産駒POG対象期間で2勝以上挙げることが出来ている点は凄い事であり、且つ注目すべきであると考えます。
今回のダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)は今回の条件において①②④に該当。非常に良い血統構成です。
しかも父母間でクロスを発生させているIn Realityへの流れとしてはRelaunchという血統からの流れなのですが、その点はプルパレイと同じであり非常に良い流れとなっております。
そもそもイスラボニータの血統表としては以下の通り。
◾️父イスラボニータ
∟ 父母間クロス:In Reality4×5
イスラボニータの父フジキセキ自体にそもそもIn Realityの配合があります。フジキセキ産駒活躍馬を確認しましたがIn Realityのクロスが成立している馬を見つけることが出来ませんでした。
父母間In Realityクロスはイスラボニータ産駒において特に威力を発揮するものである可能性があります。
以上です。
それにしても偶然かもしれませんがセレクトセール2020当歳馬セッションにてダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)を落札したダノックスは物凄いと思います。私が今回イスラボニータ産駒における父母間In Realityクロスの有効性について説いているのはあくまで今回紹介したプルバレイ、アイヴォリードレス、トゥードジボンの3頭の活躍があったからこそ考えた理論でありますので、そういった活躍馬が出てきた遥か前からそういった事を予見していたのかと思うと、恐るべき未来を見極める奥深さを感じた次第であります。
なお当記事を記載した2022年5月時点ではレニーズゴットジップの2020の情報は全くなく生存すら確証がありません。
POG2022-2023対象馬選定においてある程度のリスクを承知の上でイスラボニータ産駒に拘りをもつ方にとっては、ダノンゴーイチ(レニーズゴットジップの2020)は相当価値ある馬であると考える次第であります。
※2022年6月30日馬名確認し記事更新
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