推奨馬
・リアルデグニティ(牡)
∟父:リアルスティール
∟母:バランセラ
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:萩原清厩舎
∟馬主:サンデーレーシング
サンデーレーシング募集のリアルスティール産駒の紹介です。
推奨理由を記載する前に先に懸念事項払拭といきましょう。
懸念事項は「萩原厩舎」だという点です。個人的印象として「あまり出走させない」「ローテに違和感がある」などがある反面、ダービー馬ロジユニヴァースを輩出するなど素晴らしい功績も併せ持つため、「見極めの方法」さえ分かれば払拭出来るのではないかと考えた次第です。
萩原清厩舎の取捨選択
この ルージュエクレールも以前記事としてまとめましたが、デビューが遅れに遅れた上に未だ勝ち上がれておりません。萩原清厩舎は過去活躍馬を輩出していますがPOG期間にどれほどの力があるのか確認してみました。
この通りPOG期間2008-2009期のロジユニヴァース以降を並べました。
この内容を総括すると以下の事が言えます。
◾️萩原清厩舎POG馬選択基準
①基本的に牡馬を選択すべき
②期間中「当たり」は1頭くらい
③ノーザンファーム生産馬が多い
④最低でも中2年毎で活躍馬が出る
こう見ると重賞連帯馬は定期的に出せております。選択価値は大きい厩舎だと思います。
とにかく当たった時がデカいです。POG2022-2023(2020年産駒)は④要素に該当する年です。ギャンブル要素の大きな厩舎だとは思いますがPOG2022-2023(2020年産駒)の萩原清厩舎は狙って見ても良いかもしれません。とんでもない「当たり」が潜んでいるかもしれません。
馬体・測尺
リアルデグニティ(バランセラの2020)の馬体
いかにも「速く」走れそうな馬体であります。全体的なバランスが非常に良いです。気になるところとしてはトモです。全体の大きさに対し若干小さめな印象です。ただ形状は良く筋肉がしっかりついております。
推奨すべきは前足です。筋肉がしっかり付いている印象。前方に突き出た筋肉の形状が特徴的であまり他にこういった「角ばった」形状の前足の筋肉を見た事がありません。また前足の筋肉は首の付け根部分にいわば「たすき掛け」のような付き方としており、力強く芝を掻き込んで走る姿が目に浮かびます。
首の長さも良く推進力を生み出しそうです。胴の長さもこじんまりとはしておらずちょうど良い印象。
これが成長し肉付きが良くなると相当良い馬体になると思います。
兄弟馬比較
父が違いますが、ホウオウサーベル(バランセラの2016)と同時期馬体比較を行います。
◾️ホウオウサーベル(バランセラの2016)
印象が違います。まず目につくには胴の長さです。明らかにリアルデグニティ(バランセラの2020)の方が長いです。それから首も短め。
ただトモの形状は共通する部分があります。写真の撮り方の問題かもしれませんがどちらかというとホウオウサーベルの方が毛艶は良くトモのハリを感じます。
胴の長さが影響しているのかもしれませんが、ホウオウサーベルと比べバランセラの2020は「低重心」な馬体に感じます。これもリアルデグニティ(バランセラの2020)を推奨したい点です。
ホウオウサーベルは2歳時には相当良い馬体に成長していました。新馬戦を勝利するもその後重賞挑戦では残念な結果ではありました。それ以上の馬体を持つリアルデグニティ(バランセラの2020)は期待出来るところと思っております。
その他の馬との比較
◾️リアルスティール
父は偉大であると言わんばかりの馬体です。天につき上がる形状のトモが強烈であります。耳までしっかり上に上がっています。
バランセラの2020の毛艶の具合は父譲りなのかもしれません。胴の長さはリアルデグニティ(バランセラの2020)が上です。全てではありませんが父の要素も受け継いでいる部分はあります。
他記事で取り上げた2020リアルスティール産駒を掲載しておきます。どれも良いため優劣は付け難いところです。
測尺
リアルデグニティ(バランセラの2020)の1歳サンデーレーシング募集時の測尺を記載しておきます。
◾️リアルデグニティ(バランセラの2020):1歳時測尺
・体高:161.0 ・管囲:21.5
・胸囲:180.0 ・体重:460
思いのほか大きな測尺です。先ほど低重心に見えると記載しましたが全く低重心ではないですね。あと胸囲が180cmに達している馬は珍しいですね。相当な馬体であります。
兄弟馬の新馬戦時の馬体重を見ましたが410kg台〜470kg台でした。恐らく兄弟間でバランセラの2020は最も大柄な馬でのデビューとなると思います。出来る限り500kg以下でのデビューが出来ることを祈ります。
血統
リアルデグニティ(バランセラの2020)の血統表
・父母間クロス
∟Lyphard(リファール)5×5
リアルデグニティ(バランセラの2020)血統面推奨点①(Lyphardクロス)
バランセラの2020の血統は父母間Lyphardクロスが成立しています。改めてですがPOG馬選択においての父母間Lyphard(リファール)クロスの重要性については以下記事をご覧下さい。
当記事にも記載しておりますが、父母間Lyphardクロスは各種血統、馬体、厩舎等の推奨要素が揃っている上で、それを最後に一押しする意味があると説明してきました。Lyphardクロス以外の要素は次項記載します。
リアルデグニティ(バランセラの2020)血統面推奨点②(マンデラとの共通項)
母バランセラの血統構成とにた馬がいます。それはワールドエース、ワールドプレミア、ヴェルトライゼンデなどを輩出した「マンデラ」と構成が似ています。
◾️マンデラ血統表
◾️バランセラ血統表
両馬とも母父がAcatenango部分が共通です。マンデラもバランセラもディープインパクトとの配合で結果を残していますが、共通項としてAcatenangoが影響していた事が分かりました。あとはどのような構成が出来るかということですが、マンデラはNorthen Dancerのみ配合。バランセラはLyphard配合ですので相当効果は大きいと思えます。
前項①推奨要素の「父母間Lyphardクロス」は、バランセラの母父Acatenangoを基礎としてその能力を開花させる重要な役割を果たすものと考えます。
リアルデグニティ(バランセラの2020)血統面推奨要素③(Lyphardクロス有効性)
「 父母間Lyphardクロスがあればいい」というものでもありません。1番良いのは、 兄弟間でLyphardクロスが成立している代で良い結果を残す子を輩出する母馬の子であればLyphardクロスの価値が最も高いと考えます。バランセラはどうででしょうか。
◾️バランセラ兄弟状況
生産年 | 馬名 | 種牡馬 | 厩舎 | Lyphardクロス有無 |
2009 | 無し | エンパイアメーカー | 無し | × |
2010 | スペクトロライト | ディープインパクト | 堀厩舎 | ○ |
2011 | 無し | 無し | 無し | 無し |
2012 | シーオブラブ | ディープインパクト | 高橋義忠厩舎 | ○ |
2013 | ビッシュ | ディープインパクト | 鹿戸厩舎 | ○ |
2014 | キャラバン | ダイワメジャー | 石坂正厩舎 | × |
2015 | チェルヴァ | キングカメハメハ | 鹿戸厩舎 | × |
2016 | ホウオウサーベル | ハーツクライ | 奥村武厩舎 | ○ |
2017 | 無し | 無し | 無し | 無し |
2018 | バラーシュ | キングカメハメハ | 萩原厩舎 | × |
2019 | ホウオウバニラ | ドゥラメンテ | 安田翔伍厩舎 | × |
2020 | 未定 | リアルスティール | 萩原厩舎 | ○ |
バランセラの子での父母間Lyphardクロス有無の状況はこの通りです。1番代表的な馬はビッシュですね。
優駿牝馬(オークス)3着、またPOG期間外ですが紫苑ステークス(GⅢ)1着など素晴らしい成績をおさめました。母バランセラの兄弟間で1番の成績をおさめた馬は父母間でLyphardクロスがあります。
ただしその他のLyphardクロス有の馬はホウオウサーベル(→新馬戦1着のみ)、スペクトロライト(→未勝利戦1着)、シーオブラヴ(→JRA勝利無し)とこの通りPOG期間の活躍は微妙なところであります。また父母間Lyphardクロスの無いホウオウバニラ(バランセラの2019)はドゥラメンテ牝馬でありながら新馬戦1着となっています。
ただしシーオブラヴは繁殖牝馬として青葉賞(GⅡ)と京都2歳ステークス(GⅡ)を連勝したワンダフルタウンを産みました。
またスペクトロライトはライトウォーリアを産みました。ライトウォーリアはPOG期間2勝。また期間後はダート馬としてオープン馬にまで成長しています。
実際の競走馬として直接的結果を残せているのがビッシュだけであるのは心もとない状況ではありますが、繁殖牝馬としての結果を残せているのが 父母間Lyphardクロス馬ですのでバランセラの2020にも良い結果は訪れる気はしています。
以上です。
冒頭でお伝えした通り、萩原清厩舎にとっての「当たり馬」である可能性は高いと思っています。歴史に名を残すような馬への成長に期待するばかりであります。
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