推奨馬
・アッシュフォード（牡）
∟父；ハーツクライ
∟母：ハーレクイーン
∟生産：ノーザンファーム
∟厩舎：藤原英昭厩舎
∟馬主：シルクレーシング
今回はシルクレーシングのハーツクライ産駒を取り上げます。アッシュフォード（ハーレクイーンの2020）はシルクレーシング2021年募集カタログの関西馬1頭目にあたる馬であり、掲載箇所に加え、（後述しますが）馬体写真の見栄えも良いことから目が行きやすい馬だと思っております。各種方面からアッシュフォード（ハーレクイーンの2020）がPOG選択馬としてどれくらい期待出来るものなのか確認していきましょう。
母ハーレクイーンについて
ハーレクイーンはイギリス出身の牝馬です。2017年にノーザンファームが海外セールで落札した馬です（400,000ギニー。日本円換算で6500万円）。
競走馬時代の成績は以下の通りです。
この通り英国オークスと、アイリッシュオークスで3着以内に入っている優秀な馬です。実際のレースを見てみましょう。
◾️英国オークス（G1）：3着
◾️アイリッシュオークス（G1）：3着
両方とも3着です。英国オークスは1着馬がMinding（マインディング）という英国1000ギニー、クイーンエリザベス2世SなどG1競争7勝の強力な馬との対決となったために突き放される結果とはなっていますが、アイリッシュオークスはかなり粘っております。アイリッシュオークスの1着馬はSevens Heaven（セブンスヘブン）というG1競争2勝の強力な牝馬であり2017ドバイシーマクラシックで2着に入る力の持ち主。その馬にハーレクイーンは粘れたわけですので大したものであります。
ハーレクイーンの競走馬としての力はお分かり頂けたかと思います。この母と今回父にハーツクライを迎えたアッシュフォード（ハーレクイーンの2020）に対しては期待せざるを得ないと考えます。
馬体・測尺
アッシュフォード（ハーレクイーンの2020）の1歳時馬体
相当見栄えの良い馬体です。前足部分の筋肉の前方への出具合がもう少しあれば最高ではありましたが、それでも背中と腹回りの美しい平行線からトモに流れていく部分が良い雰囲気であること、トモの迫力も十分にあり、トモの筋肉が足先に伸びている部分も非常に良いです。
兄弟馬・母馬との比較
アッシュフォードは母ハーレクイーンのの第二子。兄弟及び、母馬と比較します。
◾️テーオーアリエス（牝）
∟ダイワメジャー産駒（2019年）
ダイワメジャー産駒の当馬は現時点で新馬戦3着が最高順位です。懸念するところではありますが、アッシュフォード（ハーレクイーンの2020）のほうが圧倒的な迫力であり比べ物になりません。同じ結果になることはないでしょう。
また母馬のハーレクイーンの馬体も以下でご確認お願いします。
◾️母ハーレクイーン
恐らく引退後の写真でしょう。同率比較は出来ませんが全体構造がアッシュフォードと似ています。特にトモの形状です。また前足の筋肉も前方に出ております。アッシュフォード自身も成長後に更に馬体の迫力が増していくのは間違いないです。
他ハーツクライ産駒との比較
以下記事内の他ハーツクライ産駒と比較していきます。
コンドコマンドの2020の記事でも書きましたが各馬特徴が違いすぎます。
ただ迫力の点においては、この中で言えばアッシュフォードはフィデルとヴィクティファルスを間違いなく超えています。サリオスはG1馬だけあって相当なもので、これを超える見栄えではありません。
フィデルとヴィクティファルスでも重賞で通用する馬なのですからアッシュフォードに対しての期待も高まります。
あと2頭挙げます。キャロットクラブのリスグラシューとカテドラルです。両馬ともPOG期間に活躍したハーツクライ産駒です。
◾️リスグラシュー
◾️カテドラル
この2頭で言えば、やはりリスグラシューは良いです。胴も長く迫力を感じます。また前足の筋肉も前方に出ています。カテドラルは迫力はあるものの、こじんまりした印象です。ただトモのボリュームは凄い。
アッシュフォードについては前足の筋肉以外は、トモや胴の長さや毛艶など素晴らしい見栄えであり他ハーツクライ産駒活躍馬に対しても見劣りしません。馬体は十分推奨に値すると考えます。
測尺
1歳時の測尺を比較していきます。
◾️アッシュフォード
・体高：150.5 ・管囲：21.1
・胸囲：172.0 ・体重：432
◾️サリオス
・体高：153.0 ・管囲：20.9
・胸囲：186.0 ・体重：510
◾️ヴィクティファルス
・体高：150.0 ・管囲：19.7
・胸囲：163.5 ・体重：366
◾️リスグラシュー
・体高：158.5 ・管囲：20.1
・胸囲：176.0 ・体重：465
◾️カテドラル
・体高：155.5 ・管囲：21.5
・胸囲：175.5 ・体重：452
比較馬4頭の振れ幅が大きいですが、アッシュフォードの管囲がカテドラルに次いで大きな値であることは非常に高く評価出来ることと思います。体重も432kgと2歳時には460kg〜480kg程度でのデビューが出来るでしょう。
写真の見た目で言えばアッシュフォードは大きな方だと思いましたがリスグラシューとカテドラルは思いのほか1歳時も大きいことが分かります。サリオスとヴィクティファルスは極端な例ではあるのでしょうが、ハーツクライ産駒はある程度馬格があるほうが期待値が高いのだと思われ、アッシュフォードはこの点においても条件を満たしているものと考えます。
血統
アッシュフォード（ハーレクイーンの2020）の血統表
・父母間クロス：Lyphard4×5
アッシュフォードは父母間Lyphardクロスが成立している馬です。以下記事で父母間LyphardクロスがあることがPOG馬選択における重要要素であることをまとめています。
この記事にもありますがただ単に父母間Lyphardクロスがあれば良いというものではありません。推奨に値する各種要素の最後の一押しとして重要だと考えております。血統面でハーツクライの成功条件を満たしているか確認していきましょう。
他ハーツクライ産駒活躍馬の血統表
◾️リスグラシュー
∟父母間クロス：Lyphard4×5×4、Northen Dancer5×5×5
◾️タイムフライヤー
∟父母間クロス：Lyphard4×4、Hail to Reason4×4
◾️ドウデュース
∟父母間クロス：Lyphard4×4、Hail to Reason4×5
◾️グレイル
∟父母間クロス：Northen Dancer5×5×5
アッシュフォードはハーツクライ血統推奨条件を満たしているか
前項ハーツクライ活躍馬の血統表からアッシュフォード（ハーレクイーンの2020）との血統共通項があるか確認していきましょう。
まず父母間Lyphardクロスはドウデュース、リスグラシュー、タイムフライヤーと共通。
またRainbow Questの配合もあります。珍しいため共通はないかと思いましたが、グレイルと共通していました。
またアッシュフォード（ハーレクイーンの2020）にはShirley Heightsの配合があり、これがリスグラシューと共通。
リスグラシューとは先ほども記載した通り父母間Lyphardクロスも共通しておりこの点は心強い点であります。
更にはアッシュフォードの母ハーレクイーンの血統表も確認しましょう。
◾️ハーレクイーン
6代目にHail to Reasonがあります。6代目まで広げると父母間Hail to Reasonクロスまであり、この点はリスグラシュー、ドウデュース、タイムフライヤーと共通しています。
改めてですが、ハーツクライの血統推奨条件をまとめます。過去培った内容であるため今回挙げた馬以外の分まで入っています。
◾️ハーツクライ血統成功条件まとめ
・・・・・・・・・・・・・・
①父母間でNorthen Dancerクロスがある
②母方にRoberto配合がある（その流れ、もしくは別路線で父母間Hail to Reasonクロスが成立することもあり）
③母方にSadler’s Wells配合がある
④母方にMr. Prospector配合がある
⑤母方にNinisk配合がある（Lomitasからの流れが最高）
⑥母方にNijinsky配合がある（⑤からの流れの場合は最高）
⑦母方にStorm cat配合がある
⑧母方にDanzigの配合がある
⑨父母間でLyphardクロスがある
⑩母方にSeattle Slew配合がある
アッシュフォード（ハーレクイーンの2020）は②⑨と該当数は少なめ。ただし先ほど記載した通りリスグラシューとグレイルと共通項がありますので、この点は十分推奨に値すると考えます。
以上です。この馬は魅力大き馬です。母ハーレクイーンの強さ、 馬体の凄さ、また血統においても過去ハーツクライ産駒との共通項も多いです。
父母間Lyphardクロスのことですが、母ハーレクイーンの第一子であるテーオーアリエスが現時点で活躍を見せていないことはアッシュフォードにとってむしろ後押しとなる要素です。父母間Lyphardクロスが成立していない兄弟が活躍できない状況の後、Lyphardクロスが成立するととんでもない活躍を見せることがあります。以下記事でぜひご確認お願い致します。
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