推奨馬
・ネビュルーズ(牡)
∟父:ジャスタウェイ
∟母:スターズアンドクラウズ
∟生産:ノーザンファーム
∟厩舎:鹿戸雄一厩舎
∟馬主:インゼルサラブレッドクラブ
今回は2021年設立のインゼルサラブレッドクラブの所属馬においてのPOG推奨馬の紹介記事です。POGまくれーんブログでも取り上げるのは初めてであります。インゼルサラブレッドクラブはキーファーズが設立した一口馬主クラブです。
キーファーズのPOG期間に活躍した馬といえばドウデュースです。
武豊騎手に初めて朝日杯フューチュリティステークス(G1)勝利をもたらしました。その他にも京都2歳ステークス(GⅢ)を勝ったマイラプソディもいます。またディープインパクト産駒でゴータイミングという馬もPOG期間2勝を挙げていますし、ラルクという馬はPOG期間1勝止まりではあるものの血統は「父ディープインパクト×ライラックスアンドレース(ラッキーライラックの母)」と超良血馬もおります。
キーファーズは重賞勝利している2頭に共通していることとして、以下の要素が挙げられます。
・ノーザンファーム生産馬であること
・友道康夫厩舎であること
・ハーツクライ産駒であること
インゼルサラブレッドクラブの所属馬にはこの3要素を満たしている馬も存在しますが、今回はあえてこれに該当しないネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)を紹介することとしました。血統構成が面白いことや父がジャスタウェイということでハーツクライに近いことも理由の一つです。
ジャスタウェイは種牡馬として活躍馬を輩出してきたものの活躍まであと1歩という馬が多くヴェロックスなどその代表です。その影響か2020年12月に社台スタリオンステーションの種牡馬所属から除外となってしまいました。新種牡馬が続々と導入される社台スタリオンステーションであれば当然のこのかもしれませんが、移動となったその2020年12月にダノンザキッドがホープフルステークス(G1)を制するなど大きな活躍を見せる馬も登場し、POG2022-2023期間においてもまだ無視できない存在であると認識しております。
それではネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)の魅力について紐解いていきましょう。
馬体・測尺
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020の1歳時馬体)
馬体ですが1歳時点では迫力に欠けるというのが正直な所であります。全体の見た目は悪くはないものの、例えばトモのボリュームも華奢に感じる部分があります。ただ前足周りの具合は好印象です。肉付きはある程度あり前側に筋肉が出ています。
一旦POG期間に活躍したジャスタウェイ産駒の同時期のものと比べていきましょう。
他ジャスタウェイ産駒活躍馬の1歳時馬体
◾️アルーリングウェイ(牝)
◾️ルージュエヴァイユ(牝)
◾️アウィルアウェイ(牝)
◾️シングフォーユー(牝)
◾️ヴェロックス(牡)
◾️ポッドボレット(牡)
以上6頭を並べました。活躍馬というものはどれもある程度見た目も良いのは当然のことですがこの6頭中抜けた存在であるのがヴェロックスです。この中で一番馬体の見栄えが良く見えます。ただしその他の馬は悪くは悪くはないものの強烈なインパクトを与えるような見た目の馬がおりません。牝馬4頭はトモのボリューム、張りにおいては悪くはないもののルージュエヴァイユはあまりバランスも良くは見えません。牝馬4頭中最も良く見えるのはアウェイルアウェイです。
ポッドボレットについてですが馬体の迫力が特になく、トモの張りも微妙です。ただレースではいい走りをします。ジャスタウェイ産駒というものは良く「早熟だ」と言われます。最近は古馬になってもある程度活躍を見せる馬も出てきてはいます。あえてその「早熟」という表現に乗っかるとすると、ジャスタウェイ産駒というものは1歳時から2歳時までの期間の馬体成長が著しく1歳時の馬体の見た目はそこまで馬自身の評価を決定付ける必要がないものかもしれません。
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)の1歳時馬体は良くありませんがそこで評価を決めるのではなく2歳時の馬体を見るのが最も良いと考えます。POGではそれが可能ですが一口馬主ではそうも行きません。1歳時に評価を判断するにあたっては馬体はある程度の目線までとし後に紹介する血統面で評価するしか無いと考えます。
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020の1歳時測尺)
1歳時測尺は以下の通りです。
・体高:153.5 ・管囲:20.9
・胸囲:179.0 ・体重:468
前項まで記載した馬体評価に反し、測尺は素晴らしいです。馬体重は468kgもありかなりの馬格です。管囲も20cm以上ありしっかりしています。500kg以内の馬体重でデビュー出来ると理想です。馬体からは見えなかった力がこういう数値に備わっているのかもしれません。
繰り返しですがPOG推奨に値する内容であります。
血統
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)の血統表
∟父母間クロス:無し
先にお伝えすると、ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)はこの血統構成こそがPOG馬として推奨したい最大の理由です。母スターズアンドクラウズ自体は競走馬としての活躍はありませんがマクフィ産駒であることなど珍しいものです。ただ母父マクフィ産駒が日本競馬界で活躍しているかというと全体の勝利数としては確認する限り1勝止まり。ただ頭数も少ないですのでこれからの構成であると考えます。
母スターズアンドクラウズ自体の血統表を見ると更に魅力が広がります。
青枠で重要要素を多数囲っておりますがこれだけ色んな要素が母方に含まれているのです。次項ジャスタウェイ産駒の活躍馬の血統表を並べ、ジャスタウェイ産駒としての血統成功条件をネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)が満たしているか確認していきましょう。
他ジャスタウェイ産駒活躍馬の血統表
◾️ダノンザキッド
∟父母間クロス:Lyphard5×5
◾️エーポス
∟父母間クロス:Nearctic5×5
◾️アウィルアウェイ
∟父母間クロス:無し
◾️アドマイヤジャスタ
∟父母間クロス:Nearctic5×5
◾️ヴェロックス
∟父母間クロス:無し
◾️テンダンス
∟父母間クロス:無し
◾️シングフォーユー
∟父母間クロス:Hail to Reason5×5、Nearctic5×5
◾️ゼンノジャスタ
∟父母間クロス:Nearctic5×5
◾️ラブミーファイン
∟父母間:Halo4×5
◾️ポッドボレット
∟父母間クロス:無し
◾️アルーリングウェイ
∟父母間クロス:Hail to Reason5×5
◾️ショウリュウハル
∟父母間クロス:Halo4×5(6代目以降父母間Lyphardクロスあり)
◾️ルージュエヴァイユ
∟父母間クロス無し
こう見ると、ジャスタウェイ産駒は父母間クロス構成をそこまで重要視しないようです。ただし主に青枠で囲っている部分がジャスタウェイ産駒の血統構成における成功条件であると考えます。以下にまとめます。
ジャスタウェイ産駒血統構成における成功条件
①母馬にDanzig配合あり
②父母間Lyphardクロス配合あり
③母馬にNureyev(Sadler’s WellsとFairy King含む)配合あり
④母馬にNijinsky配合あり
⑤母馬にMr. Prospector(Raise a Native)配合あり
⑥母馬にDeputy Minister配合あり
⑦母馬にRainbow Quest配合あり
⑧父母間Halo(Hail to Reason)クロス配合あり
⑨母馬にSeattle Slew配合あり
⑩母馬にShirley Heights配合あり
前項に挙げたジャスタウェイ産駒活躍馬の血統構成における共通項はこの通りです。ジャスタウェイ産駒はハーツクライの子であることから、ハーツクライ産駒の条件に似通っています。該当状況をまとめます。
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)の血統成功条件外該当状況
前項記載の通り、ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)はジャスタウェイ産駒としての血統成功条件を多数満たしており、該当数は最も多いです。
母スターズアンドクラウズの血統表を記載したのは6代目以降に良い要素が多く含まれるからです。
Mr. Prospector配合、Nijinsky(ニジンスキー)配合、Shirley Heights配合、Danzig配合、Rainbow Questからの Blushing Groom配合など多数です。
ジャスタウェイ産駒は該当数多数の馬が良いかと言うとそうではありません。ただ 単純に「該当血統構成があれば選ぶ」ということでも問題はないと考えます。
それから最も強調したいのがネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)には6代目にダンシングブレーヴの配合があります。つまり7代目にはLyphard配合がありますので「父母間Lyphardクロス5×7」が成立しています。ジャスタウェイ産駒で父母間Lyphardクロスが成立しているのはジャスタウェイ産駒で唯一G1を勝ったダノンザキッドです。
この要素が共通している点は相当大きいと思います。以前以下記事で父母間Lyphardクロスは各種推奨要素を後押しするものと書かせて頂きました。
ネビュルーズ(スターズアンドクラウズの2020)は2020年産駒のジャスタウェイ産駒の中でも大きな活躍を見せる期待値はかなり高いものと考えます。
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