【POG】【推奨】バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)

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【2020年度産駒推奨】


推奨馬

バトルハーデン(牡)
 ∟父:ドゥラメンテ
 ∟母:ラヴズオンリーミー
 ∟生産:ノーザンファーム
 ∟厩舎:矢作芳人厩舎
 ∟馬主:サンデーレーシング


本日はサンデーレーシングの2020年生まれののドゥラメンテ産駒を紹介します。母ラヴズオンリーミーといえば説明不要の好実績良血繁殖牝馬であります。
ドバイターフ(G1)を制したリアルスティール、優駿牝馬(G1)・香港カップ(G1)・ブリーダーズカップフィリー&メアターフ(G1)・クイーンエリザベス2世カップ(G1)を勝ち2021年米国のエクリプス賞最優秀芝牝馬に選出されたラヴズオンリーユーを輩出しています。

それ以外にもPOG期間に2勝したプロディガルサンとラングレーも輩出しています。日本競馬界においてもここまで何頭も有力馬を輩出する牝馬というのはなかなかいないと思います。
そういう事で今回のバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)も募集価格は1億2000万円と高額になっています。
これまで母ラヴズオンリーミーが結果を残せたのは全て父ディープインパクトとの交配によってもたらされたものでありますが今回のバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)はドゥラメンテ産駒であります。
母ラヴズオンリーミーとしても初めて父にキングカメハメハ(Kingmambo)の配合のある馬との交配となり完全に未知数です。
バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)については魅力も多く、ただし懸念点も併せもちます。一つずつ解説していきます。

馬体・測尺

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の馬体

こちらがバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の1歳時馬体です。サンデーレーシングの2020年産駒の中でもトップクラスに素晴らしい馬体であると思います。バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の最大の推奨ポイントはこの馬体と考えます。
まず全体のバランスが素晴らしい。違和感を覚える箇所が全くありません。前足周りの筋肉などがっちり固まっており頑丈且つ力強い見た目です。また腹と背中の線も美しい平行線を描いておりそのままトモに自然に流れていきます。トモについても肉付きは素晴らしくボリュームもあり且つ後ろ足先の方にも筋肉が伸びて備わっています
以前書きました「【POG論】ドゥラメンテ産駒の選び方」という記事でも書きましたが、ドゥラメンテ産駒はとにかく馬体全体のバランスが重要であると記載しました。

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の馬体ははその理想像といっても過言ではないと考えます。以下父ドゥラメンテの1歳募集時馬体を載せます。

◾️ドゥラメンテ

ドゥラメンテは改めて素晴らしいですね。バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)と比較すると、とにかく筋肉のつき方が非常に似ています。印象としてはバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)はドゥラメンテをより強靭にしたような見た目であります。

また兄弟比較としてリアルスティールの1歳募集時馬体と比較します。

◾️リアルスティール

リアルスティールとバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)は見た目が全く違います。それぞれリアルスティールは父ディープインパクトの遺伝子、バトルハーデンは父ドゥラメンテの遺伝子が見た目として如実に現れております。母ラヴズオンリーミーは父の特徴を上手く受け継ぐ特徴があるようですね。
馬体としてはバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)については懸念点は全くありません

測尺

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の1歳時測尺は以下の通りです。

・体高:161.5  ・管囲:20.8
・胸囲:181.0  ・体重:469

見た目通りバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)は大型です。体高、胸囲も相当なものでほぼ完成系に近いと思わせるものです。2歳デビュー時には500kg丁度くらいで体重増加が止まるようになると非常に良い状態であると考えます。測尺も問題ないです。

血統

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の血統表

∟父母間クロス:Mr. Prospector4×3、Miesque(ミエスク)4×3

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)の血統表は正直かなり挑戦的な構成であると考えます。
「父母間クロス:Mr. Prospector4×3、Miesque(ミエスク)4×3」とは記載しましたが、ご覧頂くとお分かりの通り父ドゥラメンテ側の3代目に位置するKingmambo(キングマンボ)と、母ラヴズオンリーミーの2代目に位置するMonevassia(モネヴァッシア)は完全に同血配合であります。考え方によってこれは「Kingmambo(キングマンボ)3×2」の超近親配合という事です。私自身もどれくらい近親であることが危険なのかは分かりませんが、これがどのように作用するのか。ノーザンファーム関係者の方々も交配の際この点にはお気付きだったと思われますので何らかの戦略なのだと捉えています。

また1番気になる所としては『バトルハーデン(ラヴズオンリーユーの2020)は父がディープインパクトから→ドゥラメンテに置き換わっても素晴らしい活躍が出来るのか」この点についてでしょう。

多少こじ付け有りの部分もありますが「POGまくれーん的解釈」でこの疑問について紐解いていきます。

【血統考察①】バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)はドゥラメンテ産駒血統成功条件を満たしているか

これについては再び以下「【POG論】ドゥラメンテ産駒の選び方」の記事を用い確認していきましょう。

まずドゥラメンテ産駒においてMonevassia(モネヴァッシア)やMiesque(ミエスク)配合があるものを見たことがありません。そのため今回はそれ以外の点で確認していきます。

まずドゥラメンテ産駒として必要条件である「母方にサンデーサイレンスの配合が無いこと」←この点は満たしています
また「父母間でNureyev(ヌレイエフ)クロス成立」←これも満たしております「父母間Mr. Prospectorクロス」←これも満たしています
更にはStorm catの配合
もあります。ドゥラメンテ産駒においてStorm cat配合を持つ活躍馬はアヴェラーレがいます。

バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの020)はドゥラメンテ産駒としての血統成功条件は満たしております

【血統考察②】サンデー系種牡馬→ミスプロ系種牡馬変更での成功例

今回バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)はリアルスティール、ラヴズオンリーユーをはじめとするディープインパクト産駒として活躍を見せて来ましたが、今回父はドゥラメンテに変わりますので同じく活躍が可能か確認します。
確認方法としてはドゥラメンテ産駒の活躍馬の中でサンデーサイレンス系種牡馬との交配による成功との両立している例があるか確認してみます。

サンデーサイレンス系種牡馬での活躍をおさめた母馬が、父をドゥラメンテに変えた際活躍できるかの確認表です。この表は古馬での成績も含めているのと「活躍」と称する基準は私個人の主観によりますのでその点ご了承願います。

これをご覧頂くと分かりますが、種牡馬をサンデーサイレンス系→ドゥラメンテに変更しても活躍する馬を輩出できる母馬はいます。
ただサンデーサイレンス系の中でもオルフェーヴルとステイゴールドで活躍した馬が多いとう特徴があります。これは不思議な傾向です。ステイゴールドの血とドゥラメンテの血に何らか共通項があるのでしょうか。
バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)はこれまでディープインパクトを主線として交配してきました。繁殖牝馬でスターアイルとバランセラはディープインパクトとの交配でもドゥラメンテとの交配でも結果を出すことが出来ている例ではありますがこの2頭(=テネラメンテ、ホウオウバニラ)は現時点で重賞に通用するまでには至っておりません。また表には掲載しておりませんが母ヴィートマルシェはディープインパクト産駒のアヴニールマルシェを輩出しておりこれも共通成功例の一つです。
またディープインパクトの子供との交配で成功馬を輩出した母馬の例も出てきました。ソングラインを輩出したルミナスパレードです。ドゥラメンテ産駒としてティーガーデンを輩出しPOG期間でも活躍しています。

ここまで述べはしましたが、母ラヴズオンリーミーがドゥラメンテとの交配で必ず活躍馬を輩出するとは言い切れません。ただしディープインパクト産駒として活躍馬を輩出する母馬がドゥラメンテとの子を産んだ際、活躍する可能性は過去事例をもとにゼロでないことは確かであります。

【血統考察③】Monevassia(モネヴァッシア)や母ラヴズオンリーミーの他配合考察

血統解説の冒頭で記載した通り「Monevassia(モネヴァッシア)=Kingmambo(キングマンボ)」です。また「Storm cat+Monevassia=母ラヴズオンリーミー」です。母ラヴズオンリーミーも牝馬を輩出しておりその馬が繁殖牝馬として存在します。

以下例をご覧下さい。
◾️ダノンシュネラ

ご覧頂くと分かる通り、ダノンシュネラは父ドゥラメンテ→母母ラヴズオンリーミーという、バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)にかなり似ている配合です。

ただしダノンシュネラは新馬戦勝利後、POG期間では全く振るわず古馬になったあともダート1勝クラスでやっと勝利する程度に苦労しています。同じ母ラッドルチェンドはディープインパクト産駒のテルツェットを輩出。テルツェットはPOG期間は順調さを欠くも古馬になり重賞2勝の活躍を見せます。
この流れはバトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)には嫌な内容です。

また母ラヴズオンリーミー自体の母のMonevassia(モネヴァッシア)に注目してみます。要はMonevassia配合がある馬が父Mr. Prospector系の種牡馬との配合で成功例がないか確認してみました。何頭か紹介します。

◾️ソニンレータ

母キャサリンオブアラゴン自身の母はMonevassia(モネヴァッシア)です。ソニンレータはドゥラメンテとの組み合わせですが、成績は全く振るわず。厳しい結果でした(中央勝利無く地方移籍)。

◾️Tapesty(タペストリー)
少し路線が外れますが外国馬でもMonevassia(モネヴァッシア)配合の馬がいました。それがTapestry(タペストリー)です。

Galileo(ガリレオ)との交配です。この馬は相当な活躍を見せた馬です。成績は以下の通りです。

これは凄いのですが、とは言っても父はGalileoです。Galileoとドゥラメンテは全く違う血統ですが構成だけ見るとGalileoのSadler’s WellsをNureyevと見立て同配合のMr. Prospectorとの組み合わせで無理矢理「=Kingmambo」と見れなくもないです。

正直苦しい所ではあります。
それでもMonevassia(モネヴァッシア)が繁殖牝馬として良い競走馬を輩出する能力を有しそれはサンデーサイレンス系種牡馬のみに限らないということは分かりました。

【血統考察④】まとめ

①②③をまとめると以下の通りとなります。

【バトルハーデン(ラヴズオンリーミーの2020)血統評価まとめ】

①ドゥラメンテ産駒の血統構成として成功条件を満たしている(母方にサンデーサイレンス配合なし/父母間Mr. Prospectorクロス有/父母間Nureyevクロス有/母方Storm cat有)

②サンデーサイレンス系種牡馬との交配で活躍馬を輩出した母馬がドゥラメンテと交配した場合成功例は存在する。ただしディープインパクトで成功馬輩出→ドゥラメンテの切り替えの場合成功例は少ない

③母馬にラヴズオンリーミー自身の母Monevassia(モネヴァッシア)の配合のあるドゥラメンテ産駒は存在するが活躍馬は全く無し(父にGalileoとの成功例はありこれを良しとするか)


以上です。
これは相当判断が難しいです。馬体は相当良く厩舎も矢作芳人厩舎と有力。またサンデーレーシング募集馬ということで期待は高まるも、血統考察すると厳しい面が浮き彫りになります。

2歳時の馬体と成長の姿を見てPOG選定の最終段階まで各種情報を集め検討を重ねた上で最終判断を行うべきと考えます。

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